◆首肩痛、首肩コリとは?

首や肩の症状で来院される人も非常に多く、単に肩が凝るというものから、腕のシビレや痛みなど、様々です。全体的に女性が多いようです。


首・肩の様々な症状

ここでは代表的な症状について紹介させていただきます。


むちうち・寝違え:

どちらも症病名としては頚椎捻挫とされます。「単なる寝違え」などといい加減な対応をすると、痛みが抜けなくなったり、頭痛が起こるようになったりします。

頚椎捻挫とは合計7つある頚椎それぞれの動きを制限している靱帯の損傷です。足首で起こす捻挫と同様に安静が必要です。物理的な力によって伸びてしまったり、部分的に断裂してしまった靱帯の修復には正しい形で安静にする「時間」がどうしても必要なのです。身体の状態がある程度正しい状態の人は、安静にしているだけで良くなります。しかし、背骨や骨盤の状態が悪い人は、安静にしているだけでは治らないことが多いのです。
そもそも寝違いの場合は、身体の状態が良ければそう簡単に起こすものではありません。頻繁に寝違いを起こす人は当然のこと、普通に寝ていただけで寝違いを一度でも起こした場合でも、それは身体の状態に問題があるサインです。
寝違いを起こすメカニズムは証明できていません。電車内の座席で、とんでもない姿勢で寝ていても寝違いにはならないのに、布団でいつもの枕で寝ていても寝違いを起こすときは起こします。私はむしろ寝ている姿勢は関係ないのではないかと考えています。
身体のバランスの悪い状態で日常生活をおくることで、頚部の筋肉に部分的過緊張が起こります。その過緊張が寝ている間も抜けずに、頚部の靱帯を損傷させるほど、頚椎を局部的に締め付け続けることで「寝違い」を発症すると考えます。引き金は寝ている姿勢ではなく、眠ることで頚部筋肉の過緊張に対抗する反対側の筋肉が緩んでしまい、過緊張を起こしている筋肉の暴走を止めることができなくなって「寝違い」が起きるのです。ですからどんな姿勢で寝ても起きるときは起きるのです。



首・肩のコリ:

人間の筋肉は、一定の力を同じ方向へ何時間も入れ続けるような使い方は得意ではありません。このような状態が続くと、筋肉は柔軟性を失い、筋肉内の血流も低下し「凝った」や「固まった」と感じるのです。筋肉は伸びたり縮んだりする器官です。この伸び縮み運動のメリハリが大事なのです。
現代日本人でこのような使い方を強いられる筋肉は、脊柱起立筋などの腰部~背部~肩頚部の姿勢制御筋です。仕事などで一日中立っていたり、デスクに座り続けたりして起き安い現象です。逆にこれらの筋肉以外では「凝り」は滅多に起きません。いわゆる力こぶの筋肉である「上腕二頭筋」が「凝った」という人はまずいません。この筋肉が上記のような使い方を強いられることは、ほとんどないからです。
この「凝り」を解消する最も簡単な方法は、この筋肉を大きく動かすことです。水泳の「クロール」などは非常に強制的に肩こりを解消してくれることでしょう。

しかし、一日中立っていたり、デスクに座り続けたりしても「凝り」が起きない人もいます。肩がコリ易い人と、コリ難い人では何が違うのでしょうか?欧米人は肩こりに悩む人は多くありません。
これも医学的に証明された答えはありません。一般的には、やはりまず姿勢ですが、一見姿勢が良い人でも肩こりがひどい人もいます。
私は、肩こりが起こり難い人は、全身の柔軟性があり、ちょっとした動作(呼吸なども含め)でも、肩背部の筋をわずかに動かしており、これが全身的連動で筋肉のコリを防いでいるのではないか?と考えます。



四十・五十肩:

病院では「肩関節周囲炎」や「肩峰下滑液胞炎」などと言われます。
滑液胞とは肩に限らず、多くの関節に存在するものです。滑液とは、読んで字のごとく関節の動きを滑らかにするための液体で、これが入っている袋が滑液胞です。これらのおかげで人の関節は工業製品では考えられない驚異的な低摩擦な関節を実現しています。フルマラソンを走っても関節の摩擦によって膝が熱を持つことはありません(?)。膝に水が溜まるといわれる「水」はこの滑液のことです。 この滑液の袋が炎症を起こすのが、滑液胞炎です。
悪化すると腕を水平に挙げることもできなくなります。このような肩の症状では、痛いのを我慢して無理に動かすと益々悪化します。かと言って絶対安静は関節の痛くない領域の動きも悪くなってしまいます。痛くない領域は毎日動かした方がよいでしょう。

原因は使い過ぎとされていますが、当然同じことをしても肩が痛くならない人もいます。腕を動かす筋肉の協調運動の悪さが結果的に「・・・炎」といった軟部組織の炎症を引き起こすと考えます。例えば、本来は三つの筋肉で行う運動を何らかの問題で一つの筋肉で行わなくてはならない状態が続くことで、関節周囲の組織や筋肉自体が悲鳴を上げるのです。



頚椎ヘルニア:

椎間板ヘルニアと言うと腰椎の椎間板が多いのですが、頚椎の椎間板でも起こるとされています。腰椎の椎間板ヘルニアでは多くが脚にシビレなどの神経症状がでますが、頚椎椎間板ヘルニアでは腕や手指に出ます。



胸郭出口症候群:

主に手のシビレを訴えることから始まる症状です。頭から肩にかけて存在する「斜角筋群」により、腕に伸びる神経や血管が圧迫されることで発症するとされています。肘を肩の高さ以上に挙げた状態でいると、腕にシビレが起きたり、血流が阻害されて手が蒼白になったりします。
女性やなで肩の人に多いといわれています。



これらの症状に対する当院の施術


各症状に様々な原因が挙げられていますが、多くの場合カイロプラクティックの施術によって肩-首-腰-骨盤のバランスが整うと症状が改善されていきます。そして、内蔵も含めた全身の筋骨格の柔軟性を高めていきます。
ただし、身体の状態が整っても普段の姿勢を改善できないと、再び同じ状態に戻ってしまうことがあります。お仕事場の机や椅子の高さやパソコンのキーボードの高さやモニターの角度など、ご自分の身体に合わせて改善していくことも重要になります。

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